竹田家所蔵文書
更新日:2023年06月05日
竹田家に受け継がれていた古文書で、現存する貴重な歴史資料として一部が福岡県の県指定有形文化財に指定されています。
竹田春庵(竹田定直)江戸時代前期-中期の儒学者
寛文元年(1661年)京都生まれ。17才で筑前福岡藩(黒田藩)の儒学者貝原益軒(1630-1714)の門弟となります。
益軒のもとで『筑前国続風土記』『黒田家譜』の編集に携わり、益軒の著述に最も助力をした人だと言われています。
後年は益軒のあとを継ぎ、その子孫も8代それぞれ儒学者として明治に至るまで福岡藩に仕えてきました。また、牛頸において笛塾を開き、子弟の教育に当たったと言われています。
筑前国続風土記
末永為順(末永虚舟:江戸時代の地理学者)によって清書されたものに、定直が自筆で処々改訂し、ことに巻三十一を拾遺として添えてあり、定直が校正した最後の本だといわれています。竹田家所蔵文書の整理にかかわった伊藤尾四郎氏の解説によれば、この書は元禄元年(1688年)益軒が59才の時に着手し、同74才の時に編集され、その後更に改訂を加え、宝永6年(1709年)80才の時完成し、翌年藩主のもとに上げられたと言われています。
竹田家所蔵文書
指定を受けているのは巻子(巻物)8巻、『筑前国続風土記』『黒田家譜です』。
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書名 | 巻数 | 内容 |
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貝原益軒先生筆蹟 | 2巻 | 益軒の書簡17通です。 故伊東四郎氏の整理になる代表的なものであり、竹田家の先祖である定直と筑前福岡藩の儒学者で師匠であった益軒との師弟関係を知るうえでの貴重な資料です。 |
竹田家代々之筆蹟 | 1巻 | 定直以来代々一家の人々の筆蹟があります。 |
他来諸名家之筆蹟 | 4巻 | 定直と交わりのあった儒学者荻生徂徠や管茶山などの著名な人物の文書・筆蹟などがあります。 |
清朝人士之筆蹟 | 1巻 | 竹田家9代目定猗が長崎に遊学したときに師として、あるいは親交があった中国の諸学者の筆蹟を収めた「清朝人士之筆蹟」1巻があります。 |