館長の部屋
更新日:2025年4月1日
赤司 善彦(あかし よしひこ)
4月
4月になりました。今年は例年より桜の開花が遅かったうえに、寒の戻りもありましたので、まだ桜の見ごろは続きそうです。欲を言えば、福岡あたりでも入学式に桜が文字通り華を添えてくれると嬉しいですね。
昭和の時代には桜は4月になって開花していたので、入学式と言えば桜のイメージでした。しかし、気象庁が観測を続ける東京のソメイヨシノの標準木は1988年以降3月の開花で、4月はないそうです。温暖化の影響などで今後も開花は早まるようです。もしかしたら卒業式は桜が似合うと言われる時代が来るかもしれませんね。
さて、新年度になりました。新たな気持ちでスタートしたいと思います。今年度もさまざまなイベントを計画しています。特別展は3回予定しています。今月26日からは春季特別展「映画『もののけ姫』から学ぶ考古学」を開催します。
映画のストーリーは、自然から砂鉄や燃料の薪を収奪して製鉄業を営む集団と、森を守る生き物たちの戦いを描いています。本展覧会では、物語に登場する物品がどのようなものだったのか、映画のストーリーに合わせるようにして、遺跡から出土した実物資料を紹介するものです。また、大野城市の史跡「牛頸須恵器窯跡」も膨大な量の薪を燃料にするために森を伐採しつくしたとみられます。製鉄の「タタラ場」が「もののけ姫」の物語の場であるならば、この大野城市にあった窯業生産の場も自然と人間の共存を問いかけるもう一つのストーリーと言うことができます。
詳細はチラシやホームページでご確認ください。本特別展の起案者である上田係長が数年前から温めてきたストーリーを映画のようにご覧ください。
令和7年4月
市民ミュージアム大野城心のふるさと館 館長赤司善彦

- 「世界の水中遺跡の保存と活用」『水中遺跡の歴史学』山川出版社2018.3
- 「大宰府の都市の造営」『大宰府への道―古代都市と交通―』九州歴史資料館2018.4
- 「博多をめざした交易船をさがす」『西日本文化』478 2018.7
- 「公立博物館意識改革待ったなし」『西日本新聞』朝刊2018.7.21
- 「朝鮮式山城の特徴―主に兵站と備蓄―」鞠智城・古代山城シンポジウム資料集2018.10
- 「大宰府の都市と古代山城 The city of Ancient Dazaifu and mountain forts」イコモス・ICOFORT 国際会議2018論文集 2018.10
- 「古代山城とGIS―大野城・基肄城・阿志岐山城の眺望を中心としてー」『大宰府の研究』高志書院2018・11
- 「大宰府政庁前面域」『都府楼』50 公財古都大宰府保存協会 2018.11
- 「市民ミュージアム 大野城心のふるさと館」『歴史と地理 日本史の研究』264山川出版社2019.3
- 「市民ミュージアム 大野城心のふるさと館 こどもたちが歴史を体感する場」『歴博』213 2019.3 国立歴史民俗博物館
- 「大宰府と古代山城の誕生」・「大野城の研究成果」ほか『大宰府学研究』九州国立博物館アジア文化交流センター研究論集1 2019.3
注:「」は論題、『』は書籍名となります。
- 文化庁水中遺跡調査検討委員会副委員長
- 文化庁水中遺跡調査検討委員会協力者会議委員
- 日本学術振興会関連委員
- 福岡県・大野城市まち・ひと・しごと創生有識者会議委員
- 福岡県・春日市文化財専門委員
- 福岡県・久留米市文化財保存活用地域計画協議会委員
- 佐賀県・佐賀市東名遺跡整備基本計画策定委員会委員
- 長崎県・対馬市有識者会議構成員(対馬市博物館建設推進会議)
- 鹿児島県・瀬戸内町近代遺跡調査検討委員会委員長
- 鹿児島県・伊仙町生涯活躍のまちづくり町有地・施設利用構想検討委員
- 鹿児島県・徳之島町水中遺跡指導委員会委員
- 鹿児島県・天城町水中遺跡調査指導委員
- 鹿児島県・奄美市小湊フワガネク遺跡保存活用計画策定委員会委員
- 鹿児島県・与論町与論城跡調査指導委員会委員
- 九州国立博物館名誉館員
- 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所客員研究員
- 公益財団法人古都大宰府保存協会顧問
- 日本考古学協会会員
- 九州考古学会会員